特許法第2条の定義
特許法第2条は定義規定となっており、以下の通り定義されています。
第二条 この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう
発明の定義は上記で色分けした通り、4つの語句に分かれます。
自然法則を利用した
裏を返すと、自然法則を利用していない技術は発明とは言えません。
例えば欧文文字、数字、記号を適当に組み合わせて電報用の暗号を作成する方法については、自然法則を利用していないので特許法にいう発明とは言い難いという趣旨の判決があります(特許法逐条解説第2条、昭和25(オ)80 抗告審判の審決取消請求)。
技術的思想
技術的思想とは、一定の目的を達成するための具体的な技術手段であり、知識として伝達できるものをいいます。従って、以下の(1)~(3)のようなものは技術的思想に該当しません(特許・実用新案審査基準 第III部 第1章 発明該当性及び産業上の利用可能性)。
(1) 技能
個人の熟練によって到達し得るものであって、知識として第三者に伝達できる客観性が欠如しているもの
例 :フォークボールの投球方法

(2) 情報の単なる提示
提示される情報の内容にのみ特徴を有するものであって、情報の提示を主たる目的とするもの
例 :機械の操作方法又は化学物質の使用方法についてのマニュアル

(3) 単なる美的創造物
例 :絵画、彫刻等

創作
特許法逐条解説には、「特許法29条1項各号、2項に規定する発明の新規性及び進歩性との関係が問題になるが、本条にいう創作は発明時を基準として考えられるものであり、しかも主観的に新しいと意識したものという程度の軽い意味であることをもって足るものと考えられる。これに対し29条の新規性及び進歩性の問題は特許出願時を基準として判断される問題であり、しかも客観的なものでなければならない。」と解説されています。
高度のもの
特許法逐条解説には、「このような語が用いられたのは主として実用新案法における考案との関係からである。すなわち、現行法においては実用新案法における考案も発明と同様、自然法則を利用した技術的思想の創作であるとしているが)実2条1項、(発明は考案に含まれる部分のうち技術水準の低い裾の部分は包含しないという趣旨である。ただし、これは特許要件としての進歩性を示すものではない。」と解説されています。つまり、特許発明に求められる「高度」とは実用新案に対する相対的なものであるという程度の意味であるとされています。